英語を始めとしたスキルを身に付けるには1万時間必要だ。
こんな言葉を聞いたことはありませんか?
結構昔から言われていることなんですけど、
どうしてもざきやまにはそうは思えなかったんですね。
この記事では、
英語学習がだらけてしまっているあなたに向けて
英語学習をするのに期限を作る大切さをご紹介します。
また五感を使ってあなたの英語学習を
ブーストさせるヒントもご紹介していきます。
Contents
英語はたった20時間で習得できてしまう?
以前、TED Talksを見ているとこんな動画を見つけました。
ジョシュ・カウフマンさん。
この方、MBAの本やもちろんこの動画の内容の本も出していたり…
ある分野では有名な方です。
英語学習に時間はいらない!10,000時間の法則のカラクリ
ジョシュさんいわく10,000万時間というのは、
プロレベルに到達するために必要な時間のことだと言うのです。
こちらは有名な学習曲線です。
X軸が練習時間を表し、Y軸がスキルの習熟度を表します。
見ての通り、時間をかければかけるほど習熟加速度が落ちます。
Lv. 5のポケモンを育てるのと、
Lv. 40のポケモンを育てるのとでは、
レベルアップに必要な時間って明らかに違いますよね。
それと全く同じ原理です。
そしてジョシュさんはこう断言しています。
20時間さえあればいい。
20時間さえ本気で取り組めばたいていのスキルは身に付けることができる。
0からのスタートでも可能です。
こうおっしゃっているのです。
ちょっと思い出してほしいんです。
1日に1時間を計画的に学習していくと考えれば、
約1ヶ月後にはそれなりのスキルになっていると思いませんか?
ちょっと本気になればあなたにだって
英語だろうが何だろうができるようになります。
仮に20時間は現実的ではないにしろ、
1分1秒に込められる質を高めることはできます。
英語学習を始める前に理解すべき4つのポイント
ジョシュさんはその学習計画のために
4つのことを理解する必要があると言っています。
- Deconstruct the skill(スキルに必要な要素の洗い出し)
- Learn enough to self-correct(自己修正可能まで学ぶ)
- Remove practice barriers(学習障害を取り除く)
- Practice at least 20 hours(最低でも20時間を費やす)
これを英語学習に置きかえるとどうなるか…
- 英単語・英文法のインプット
読み書きと対話スキルのアウトプット - 英文法というルールをマスターする
- 学習環境を整える
・静かなカフェで勉強する
・ネイティブと会話できる場所
・モチベーションを維持する…など - 最低でも20時間を学習に費やす
スキルを学ぶということはこういうことです。
あなたが欲しいものに対して逆算して計画を立て、
学習環境の整った場所を見つけ、
必要最低限のベースを身に付けたあと、
アウトプットをしっかり20時間費やす。
学習ロードマップとしては当然の流れです。
英語学習を五感でスピードアップさせる方法
あなたの記憶力を爆発的に上げる方法をざきやまは知っています。
特別なことなどせず、知らない内に頭の中に入っている…
こんな感覚です。
覚えるという作業は本当に機械的なんですね。
あなたが普段何を必死に覚えようとしているのに、
なかなか覚えることができないというのであれば、
このまま読み進めていただいて正解です。
英語学習は時間をかけずに繰り返せ!
まず「言語=frequency(頻度)」と呼ばれるほど、
回数や頻度という要素が影響力を持っているんですね。
例えば単語帳を何周もすることで覚えるというのは
何ら目新しい話でもないと思います。
何でしたらエビングハウスの忘却曲線を引き合いに
単語帳の覚え方を教える講師の方も多いかと思います。
しかしそれだけでは不完全なんです。
エビングハウスの忘却曲線では、
20分後には42%を忘却し、58%を保持していた。
1時間後には56%を忘却し、44%を保持していた。
1日後には74%を忘却し、26%を保持していた。
1週間後(7日間後)には77%を忘却し、23%を保持していた。
1ヶ月後(30日間後)には79%を忘却し、21%を保持していた。
こういうことが証明されています。
なので復習はその日の内に!とか、
単語帳は前日の復習テストを!とかいう話になるんです。
しかし記憶というのはそんなに単純なものではありません。
詳しい難しい長い説明はもちろん省きますが、
興味のある方は以下のリンクを参照なさってください。
(※英語のウェブサイトです)
Multi-store memory model (Atkinson & Shiffrin, 1968)
Working memory model (Baddeley & Hitch, 1974)
簡単にまとめると、人には3種類の記憶があるわけです。
感覚記憶、短期記憶、長期記憶。
そしてエビングハウスの忘却曲線は、短期記憶のことを示しています。
短期記憶だけのお話ならいくらでも言えるわけです。
脳科学が!科学的証明が!
でもそうじゃない。
短期的な記憶なのですぐに忘れてしまうので、
きちんと覚えるためには長期記憶に入れる必要があるんですね。
そしてその長期記憶に入るための方法がたった1つ。
1ヶ月で単語帳を5周以上してください。
無茶な数字に見えるかもしれませんが、
大体の単語帳は2,000個英単語があり、
1日500個単位で進めていけば4日ほどで終わります。
それを何度もなんども繰り返す。
たったこれだけのお話です。
1日500個も英単語見れないよ!というあなた。
1単語2秒で進めていけば、
1,000秒=16.6分になります。
そしてこれを朝・昼・晩と、1日3回してもらいます。
なので1日合計約50分。
初心者ならこれに文法を学ぶ時間をプラスし、
1日2時間を合計で費やすことになります。
これくらい時間は見つけることができるはずです。
この1日2時間というあなたの投資が、
いずれコンテンツ的自由をもたらすと考えれば、
リターンがでかすぎて開いた口がふさがりません。
Small scale, big change
塵も積もれば山となるの英語訳ですが、
本当にその通りだとあなたは思いませんか?
英語学習に好き嫌いは関係ない?
覚えるのが苦手な人っていますよね。
昔から歴史やら理科やら「暗記科目」と呼ばれるものが大嫌いでした。
数学のようにパズルのように解けるものの方が好きで、
暗記科目はずーっとできないままでした。
ちなみに幼少期からずっとやってきたラグビーですら
今でも選手の名前を覚えることが苦手です。
だって興味が湧かないんです。
英語も同じ理由で苦手でした。
高校生の頃は英単語を覚えるのに必死で、
いつも単語帳とにらめっこ…
そう、この「にらめっこ」がよくなかったんですね。
実は科学的には好き嫌いの感情は記憶力に関係性がないことは証明されています。
むしろ英語がめっちゃ嫌いな人の方が英語ができます。笑
科学的にどうとか難しいお話はさておき、
仮に好きなものばかり頭に定着するのなら、
あなたの嫌いなものは全て記憶から消えて、
人生いつもハッピー!な生活を送っていることになります。
そんなわけないですよね。笑
嫌いな食べ物、嫌いな人、苦手なもの…
全てあなたの記憶に強く根付いているはずです。
好き嫌いと記憶は関係性がないという裏付けです。
あなたが英語が嫌いだろうがなんだろうが、
英語力の成長速度とはなんら関係性はありません。
何度でも言います。
Language = Frequencyです。
何度その単語やフレーズに触れ使ったか、
これだけが唯一あなたの記憶に関係します。
あなたがこれからどれだけ英語を使って何をしたか、
この事実だけがあなたの英語力を左右します。
単語帳だって1ヶ月あれば短期記憶に大半は入ります。
すでに実験でも行われています。
2,000語ある単語帳を毎日1周するのを1ヶ月続けた人と
同じ単語帳で500語ずつを1ヶ月続けた人とでは
単語の定着は前者の方が良かったのです。
どれだけ触れたか使ったか。
これだけを頭に入れて勉強してください。
あなたの記憶をハッキングしてください。
だからこそ1単語にかける時間を最小にするべきなんですね。
即座に答えられなかったら次、次、次…
今すぐ覚えられないのは当然なので、
何度も見る声に出すを繰り返すことで定着させる。
仮にだって毎日1周するとして1ヶ月も経てば、
単語帳を30周することになるんですよ?
それだけ数をこなして覚えられない方が難しいというか、
それでも、どうしても覚えられないのであれば、
それだけをピックアップして自分だけの単語帳を作れば良いだけです。
嫌よ嫌よも好きの内とはよく言ったものでして、
あなたの記憶にはしっかり刻み込まれています。
面白いですね、嫌いなのに頭に残るなんて。
覚えるのが嫌いだからなんて屁理屈は通用しません。
今すぐ記憶をハッキングしましょう。
英単語のニュアンスはイメージで捉えろ
単語の勉強は3段階あります。
- 単語帳の暗記で短期記憶に大量に入れる
- 会話や文章、リスニングなどからのアップデート
- ニュアンスを区別する
1と2はもう明白ですよね。
はじめのうちは単語帳でとにかく覚える、
コミュニケーションを通じて新しい単語を覚える。
どんな人でもやってきたことです。
しかし明らかに3を怠っている人が多いのも事実。
なぜならネイティブにしか分からないから、
こんな理由で単語理解の深堀をしていないんですね。
このニュアンスを知るということは、
あなたの英語力を大幅に深みを出し、
英語力をさらに一段階上げてくれるものです。
いつまでも、I thinkなんてばっかり使っている日本人になりたくないですよね。
I assumeも使えた方がもちろん良いでしょうし、
I considerも使えたシチュエーションもあるでしょう。
要は、場に合った単語を使えるようにすることが大事なんです。
例えば単語帳に出てくる「主張する」という訳。
suggest, insist, persist, claim...
日本語で説明すると一言で終わるものが、
英語だといくつも当てはまってしまうことも多々あるんですね。
どの単語がそれぞれのシチュエーションで
どう使われるかというニュアンスを知る必要があります。
ここでざきやまオススメなのがGoogle Images、
つまり画像検索のことですね。
単語を視覚的に覚えるという勉強法です。
今までもよくそういう単語帳を目にしてきましたが、
イラストを描いてあるだけじゃあ意味がありません。
なぜなら単語帳のイラストは一単語をイメージすることが目的であり、
比較して覚えるニュアンスを理解するためのものではないからです。
先ほどの例に戻ります。
「主張する」という日本語訳の単語はたくさんある中、
例えば、suggestとinsistではどう違うのだろう?というわけです。
ではこちらをご覧ください。
こちらのsuggestだと、アイデアを思いついたようなイメージがありますね。
そのアイデアを共有するようなニュアンスで自分の意見を「主張する」ということです。
一方、insistだとどうでしょう。
どこか圧迫的なイメージが見えませんか?
中には意見が食い違っている画像があったり、
指を差し俺はこう思うと断言的に主張するイメージが見て取れます。
同じ「主張する」でもこれだけ異なったイメージを持つのです。
単語帳での画一的な暗記から、
アウトプットでよりナチュラルに覚え、
あとはニュアンスで精度を上げる。
こんな感覚で単語を覚えてもらいたいですね。
理由は一人でできる勉強法だからです。
多くの人が実際に海外に住まないと…
なんてことを思っていたりするのですが、
海外に住まなくてもここまで細かいニュアンスを学ぶことができます。
英語の学習環境に雑音を取り入れるメリット
学生さんだと自習室のような静かな場所で勉強したいと思う方は多いんじゃないでしょうか。
昔、予備校の自習室なんかいつもいっぱいで、
自習室に並ぶなんてことも日常茶飯事だった記憶があります。
しかし事実とは裏腹に静かな場所というのは勉強に有害だと分かりました。
もちろんうるさすぎる場所だと勉強がはかどらないのですが、
静かな場所だと記憶力も低下するんだとか…
カフェでの雑音くらいがちょうど良いという科学的研究結果もあるくらいです。
カフェでのざわざわ音のことをホワイトノイズといい、
このホワイトノイズがあなたの集中力を最大限に引き出してくれます。
Does White Noise Help You Learn? | Psychology Today
Psychology Todayによれば、
Inattentive childrenすなわち注意散漫な子供の場合のみ有効である。
しかしいつでも集中できる人はこんな記事読まなくても集中できるので、
これを読んで欲しいのはむしろ勉強が続かないざきやまと同じタイプの人間です。
集中できないからだけで差が生まれるなんて嫌ですよね。
本当は集中したいのに集中が続かない…
そんな人はぜひホワイトノイズを浴びにカフェに足を向けてみてください。
毎日カフェに行ってられない!という人も多いと思います。
YouTubeって本当に何でもあるんですね…
カフェBGMだけでなくホワイトノイズのBGMまでありました。笑
ざきやまはこの24/7でずっと流れっぱなしの動画をよく観ています。
ホワイトノイズの動画はこちら。
逆に音が退屈すぎて勉強はかどってるのか分からなくなりますが、
実際はかなりはかどりました。
一見は百聞にしかずと言いますが本当にこれはオススメです。
英語はテクノロジーを使ってスマートに学べ
英語の学習に辞書は必要不可欠だと思います。
ざきやまはググることが多かったのですが、
あるツイッタラーさんのやり方がざきやまの心を躍らせました。
それがディーンさん(@Englishdesign1)です。
(現在はもうアカウントを消されたようです…)
https://twitter.com/Englishdesign1/status/976943107819237376
この方、単語帳も何もかもiPadで済ませている方で、
見ていてすげー!と思うような英語学習をしています。
このツイートを見ると分かると思いますが、
CNNのようなニュースサイトからPDF化することで
ハイライトで辞書を引くことができるように。
https://twitter.com/Englishdesign1/status/994577929685291009
この方、単語帳までもiPadで…
ペンで書き込めるのでもはや紙の単語帳と差し支えありません。
しかも何よりのミニマリズム。
持ち物がここまでスマートになるのが良いです。
英語学習って工夫が全てだと思うのです。
ダイエットでジムに通うのに近所のジムを選ぶだとか
英会話の先生はかわいい人をなるだけ選びたいだとか
通勤電車のストレスを避けるために職場の近くに住むだとか…
いろんな工夫がモチベーションに続くわけです。
十人十色な努力を見るのはとても面白いですね。
ディーンさんのタブレットに実装するのに憧れ、
ざきやまも少しいろいろと調べて見ました。
Kindleに英語辞書をインストールするというのも面白いですよ。
こちらの記事がとても参考になりました。
Kindle Paperwhiteで英熟語を引けるようにしたら劇的に捗った。(英辞郎)
実はアメリカにいた時はiPadを持っていたのですが、
今となっては手放さなかったらよかったなぁ…。
めっちゃ後悔しています…。
そろそろ買い直して違う言語を学ぶためのモチベにしても良いかもですねぇ。
英語中級者がするべき留学よりも効果のある勉強法
ここまでは英語初心者向けでしたが、
英語中級者は枝付けしていく学習法が効果的です。
一人英会話で「5W1H」
ここでは「会話の上手な運び方」についてお話したいと思います。
英語だけでなく日本語でも同じです。
結局はコミュニケーションなので。
5W1H、何のことかご存知でしょうか?
- When「いつ」
- Who「誰が」
- Whom「誰に」
- What「何を」
- Why「なぜ」
- How「どのように」
この6パターンのことを、5W1Hと言います。
これを使いこなすことで会話の質を上げることができるというお話です。
会話に深みを持たせます。
例えばあなたが英語が全くできなくても、
why? how?と聞くだけで相手は答えてくれますよね。
当然「なんで?」と聞けば「だって」と答えますし、
会話を続けさせることができるという点では、
英語ができた「風に」相手と会話ができます。
これは逆もしかり。
自分の発言にもこれを意識すれば
文章も必然的に長くなり意味のある会話ができます。
これって特に英語に限った話じゃないですよね。
日本語のようにシンプルな文章に枝付けするような感覚で
5W1Hを組み合わせるのです。
This is a penみたいな中学1年生が習うような簡単な文章でも、
This is the pen(これはペンです)
that I borrowed from my brother(兄弟から借りました)
before I left my home this morning(今朝家を出る前に)
because I realised that I lost my pen-case somewhere.(ペンケースをどこかに無くしたと気が付いたから)
と枝付けすることが可能です。
中1英語がここまで長く中身のある英文を作ることができてしまいます。
何がすごいって、
1人で練習することも可能ですよね。
ざきやまもよくお風呂時間に「独り言英会話」をしていました。
その日あった出来事を簡単に英語で説明するのですが、
なんで?いつ?誰が?どうやって?何を?と、
質問を自分に投げかけることで一人で会話を成立させるのです。
英語って結局は言語なんです。
文章の難易度を上げるのに必要な要素って、案外同じなんですよ。
それをするために英語自体のレベルを上げること(英文法)が大事なんです。
関係代名詞thatなんかも知っていないと使えないでしょ?笑
文法はやりましょうね。
PS.
この練習法、IELTSやTOEFLなどの英語テストでも有効です。
実際に使っている人は驚くほどスコアが伸びていますよ。(ぼそっ)
英語を使いこなすには説明力を付けよ
なかなか単語の使い方が上手くいかない人って多いと思います。
あれ?この単語っていつどうやって使うんだろう…。
単語を覚える時に直訳だけで覚えていると、
その単語のイメージが湧きにくいですよね。
そんな単語学習から一段階レベルを上げるためには、
単語を説明することにあります。
教えてあげるという認識の方が合っているかもしれませんね。
例えば「りんご」というありふれた物を説明しようと思うと、
単にfruitsとたった一言で答えるのではなく、
An apple is a firm round fruit with green, red, or yellow skin.
と答えることができると思います。
- a(n)は不特定単数を示す不定冠詞
- firmは「硬い」という形容詞
- roundは「丸い」という形容詞
- A, B, or Cの接続詞の使い方
- withは手段の付帯状況
いろんな単語が紐付いてかつ文法ポイントもありますね。
りんごを説明するのにこれだけのスキルの肉付けが可能になります。
ただ注意すべき点があります。
これは初心者向けではないです。
単語・文法ができて初めて「使う」段階になります。
ゆえにこの単語を説明する練習法というのは、
基本ステージをクリアしたからこそ価値があります。
多くの人が「これが良い勉強法だ!」と、
あれやこれやとどの英語学習法が良いか議論しています。
ざきやまにはとてもナンセンスだと思います。
全ての勉強法に適材適所があるからです。
効果のない勉強法なんて世の中にはありません。
頑張って勉強している限り効果は見られます、絶対に。
いくら学校英語がダメだと叩かれているとしても、
学校で成績の良かった生徒だってそれなりに英語が話せます。
いろんな学習法を効率よく組み合わせることが、
何より大事であるということを覚えておいた方が良いです。
PS.
今回お話させていただいた説明する単語学習法は、
こちらの本で勉強することができます。
英語学習は十人十色!五感が一番大切な理由とは
世の中には不思議な人たちが存在します。
文字、音、数が色に見えたり、
人によっちゃ性格に色を感じたりする人も。
音を形に見えたり、音が痛覚になったり。
こういった人たちを共感覚者(シナスタジア)と呼びます。
共感覚(シナスタジア)とは
共感覚(きょうかんかく、シナスタジア、synesthesia, synæsthesia)は、ある刺激に対して通常の感覚だけでなく異なる種類の感覚をも生じさせる一部の人にみられる特殊な知覚現象をいう。 例えば、共感覚を持つ人には文字に色を感じたり、音に色を感じたり、形に味を感じたりする。 - Wikipedia
つまり今見たり聞いたり感じたりしている世界が
意識世界の中で混合している状態のことを指します。
あなたが感じている五感というものが、
一つひとつ独立しているものではなく、
例えば2つなり3つが同時に働いているケースです。
それが共感覚。
お笑い芸人の「爆笑問題」田中裕二さんは、
数字が立体的なものとして見えるらしいです。
俳優の中野裕太さんは、
文字を色で感じるだけではなく
見たもの聞いたものを一生忘れない能力があります。
さすが「ニーチェを超えた男」ですね。
歴史的人物では
ムンク、モーツァルト、宮沢賢治と文学者に多いイメージです。
やはり感覚を扱う職業の方々に多いのは納得がいきます。
ざきやまも実際に明確な感じ方はないものの、
そういう感覚を少し持っているのは自覚しています。
日本人の10人に1人は共感覚者なんだとか。
これを聞いて驚いてライターの他の友人に話してみると、
その子もなんと共感覚者…
人に言えなかったり自分で気付いていない方が多いようで
なかなか表に出てこないというのも特徴です。
ちなみにざきやまと仲良しの新井リオくんも色の共感覚者。
彼の英単語学習法の色付けはユニークでした!
共感覚と科学の関係性
もともとイギリスで心理学を学び共感覚の存在を知りました。
またアメリカで英米文学、英語教育、言語学と、
心理学も踏まえた学問を学び続けているのですが、
この共感覚というトピックは必ず付いてきます。
(もちろん「共感覚」というワードでは出てきませんが。)
みんな共感覚者なのかもしれませんね。
ある人はこう言いました。
仮説には2つあります。
- 生まれた時に共感覚を持ち合わせており、成長過程で無くなっていった。(先天的)
- 生まれてから何かしらの環境要因で、共感覚を手に入れた。(後天的)
このどちらか!みたいな極論は無いと踏んでいるのですが、
この先天的意見は非常に興味あります。
実は言語学でも同じトピックがあるからです。
言語学ではノーム・チョムスキーというおじさんが、
人間は生まれた時には先天的に「生成文法」という
動物には無い人間特有の普遍的な文法生成能力を持ち合わせており、
それが臨界期(13歳くらい)を過ぎると失っていく − 生活環境の言語に定着する
と言っているんですね。
言語能力は先天性か後天性か。
まさに共感覚と同じ議論がここでもあるわけです。
たしかに複数の感覚が行き交うということはありえる話で、
自分もひょっとしたら…と思うようになりました。
いわゆるシックスセンス − 第六感というのも同じように、
複数の感覚を行き来することで成り立つ人間の進化形なのかもしれませんね。
こう考え始めると言語って面白いと思うんです。
ざきやまが興味を示すのは決まっていて、
人間って面白いという感覚なんですね。
人間って面白いなと思うから心理学にも手を出しましたし、
文学を通じて人間の心理学的普遍性や歴史的背景を学びましたし、
言語学を通じて言語の仕組みだけでなく人間心理も学びました。
言語を学ぶことは人を知ることだと考えています。
共感覚とアートの関係性
シェイクスピアは共感覚者です。
言語共感覚という分類。
多くの大作家が高等教育を受けていた時代に
彼は小学校程度の教育しか受けていない…
これは「天才」の二文字で片付けざるをえない事実で、
どうにもこうにも彼には言語における才能があったことは間違いありません。
それが共感覚というのです。
以下のハムレットのこの一節を見てみてください。
"It's bitterly cold out" - Act 1, Scene 1
日本語訳にすると「苦い寒さである」ですが
味覚と触覚が合わさった表現です。
不思議と「寒い」と表現するよりもしっくりくる。
これがシェイクスピアのすごいところです。
そして私たち自身もこういう共感覚を持ち合わせているからこそ
シェイクスピアのこういう表現や描写に「感動する」わけです。
分かります?笑
でもよくあると思うのですが、
小説やマンガ、映画や音楽に「浸る」という感覚。
あれは紛れもなく共鳴しているからです。
特に日本語は文字に依存する言語ですが、
歌詞が日本人の心に響くのはとても納得がいきます。
小説でその世界に浸り、現実逃避…
良いですねぇ。
感動とはすなわち共感。
共感することはたくさんの感覚をフルに使っている状態、
これがまさに一般人のあなたでも共感覚を持ち合わせていることを意味します。
PS.
この訳し方のトピックで、大学院の翻訳の授業を思い出しました。
雪の「しんしんと」という擬音語を訳したことがあり、
これをsilentlyと訳したくなかったんです。
ざきやまはそれを、it snows slightly beautifulとしました。
英語っぽくないんです。
雪が静かに降る様ではなく、かすかに美しさがあることを表現しました。
これが教授にとても評価されたことが
とても嬉しかったのを今でも鮮明に覚えています。
言語を通じて見た世界ってこんなにも違うくて美しいんだなぁ…。
実はあなたも共感覚者?
とりあえず以下の2つの画像を見てください。
【直感で答えて!】
テストをしましょう。簡単な質問を次にツイート致しますので、ぜひお答えくださいませ!
また面白い!ざきやまの解説が気になる!という方はぜひRTもよろしくお願いします! pic.twitter.com/xhvnFXQfkB
— イギリス英語のざきやま (@zakiyamaenglish) July 14, 2018
感覚や心理学を用いたテストなのですが、ぜひ直感を頼りに選んでみてください。
これについてもすでにアンケートを実施しております。
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さて、気になる結果は…
【直感で答えて!】
さきほどの画像2つに対して「ブーバ」と「キキ」という名前を付けたいと思います。
Q. さて「ブーバ」を付けるならどっちにしますか?
— イギリス英語のざきやま (@zakiyamaenglish) July 14, 2018
もちろん当然っちゃ当然なのですが、
Bに対して「ブーバ」と名付けたくなるのは理解できます。
ブーバってふにゃふにゃなイメージですし、
対してキキは何か尖ったイメージがありますよね。
全く根拠ないですけど。
この「全く根拠のない」というのがポイントで、
無意識にそれを選んでいることが分かりますね。
じゃあなぜこういうことが起こりうるの?という話ですが…
話を戻しますと、これはブーバキキ効果と呼ばれるもので、
いわば五感の中の、視覚と聴覚の「共感覚」です。
ブーバキキ効果
『ブーバ/キキ効果(ぶーばききこうか:Bouba/kiki effect)とは心理学で、言語音と図形の視覚的印象との連想について一般的に見られる関係をいう。心理学者ヴォルフガング・ケーラーが1929年に初めて報告し、命名はV.S.ラマチャンドランによる。』 - wikipedia
言語学的な解説なのでこれが一概に正解というのはないです。
ただざきやまの言語学的見解になります。
まず「ブーバ」ですが、
Bilabial stop(唇音)の有声音。
対して「キキ」は、
Velar stop(口蓋垂音)の無声音。
簡単に比較するのであれば、
- 唇で発する湿っぽい音か
- 喉の近くで出す乾いた音か
の違いが大きく違い比較されます。
アメーバ状の形が唇で発する湿っぽい音をイメージさせ、
一方でギザギザな形が喉の近くで出す乾いた音をイメージさせています。
これはつまりこういうことです。
視覚情報と聴覚情報とが同時に機能しているということです。
同時にと言わず、本来聴覚だけで判断されるべきことが、
視覚情報が聴覚機能をかぶせているのかもしれません。
それは正直分かりません。
聴覚は聴覚、視覚は視覚という風に独立せずに、
実はいくつも感覚が機能することで頭で処理しているのかもしれません。
これって共感覚なんです。
しかもこれは実は日本語に限らず、どの言語でも共通するお話です。
面白いですよね。
さらに思い出してほしいのは擬音語(オノマトペ)で、
これって音自体に意味はないけれどその音が何かしらのイメージがあります。
これも共感覚によって得られる情報です。
つまりこのように言い換えられます。
言葉とは感覚と感覚をつなげることで頭にイメージを持っている。
「視覚と聴覚」や「嗅覚と視覚」といろいろな組み合わせが存在しますが、
要は無意識の中の意識が混合しあって1つのイメージを作り上げるんですね。
これをあえて英語学習に持っていくのであれば、
いろんな感覚を使って暗記するといいよ!という感じでしょうか。
暗記と言っても「長期記憶」の話ですよ。
短期記憶に入れるだけならぶっちゃけ方法は何でもいいんですよね。
意味のある 、暗記するためのアウトプットをしっかり行うために、
いろんな感覚を使うことはとても大事だと思います。
PS.
今回のブーバキキの出典を以下に記しておきます。
PDFファイルもあるのでぜひ日本語なので読んでみてくださいね。
V.S Ramachandran/E.M. Hubbard. ‘Synaesthesia- aA Window Into Perception, Thought and Language, ‘Jounal of Conscious Studies, 2001, No12, p3-32.
数字に色を見る人たち 共感覚から脳を探る(V. S. ラマチャンドラン)
英語学習法の合う合わないを見極めろ
実はざきやま、軽い失読症(ディスレクシア)があります。
文章を読んでいても頭に入ってこないので、
留学中は本当に地獄でした…。笑
これは自分の英語力のせいだ!と当時は思っていました。
しかし日本に帰国後いろんな方々と関わっていく内に、
意外に多くの人が「読めない」という症状があることに気付きました。
そこで共感覚者との出会いです。
要は情報を文字媒体で理解することが苦手なのです。
人間としての感覚…音や色、何でもいいです。
他の感覚じゃないとうまく情報を得ることができない、
うまく理解することができないんですね。
つまり自分はどの五感に優れているか見抜く必要があります。
英語学習はシンプルさがキーポイント
だからこそ、
- 自分に合った勉強法を見つける
- 合わないものは捨てる
- シンプルに学び続ける
このステップが非常に大事になってきます。
上記でご説明したような
単語の暗記法から学習環境の整え方まで
全てシンプルに効果的にする必要があります。
それが時短につながるのです。
いつまでも学習者っていうのも面白くないじゃないですか?
あなたがもっと効率的に英語を学べるように、
これからもアップデートしていきますね。