英語のリスニングこそが日本人が
一番苦戦しているであろうスキルだと思います。
そもそもなぜ英語が聞き取れないのか
ここさえクリアにすれば英語のリスニング力はばっちりです。
この記事では、
英語を聞き取ることができない理由、
リスニングが実は幻だという科学的根拠、
じゃあどうやったらリスニング力が上がるのか。
ということについてお話していきたいと思います。
Contents
リスニングができないたった1つの理由
おそらくこの1つを知らなければ、
一生リスニング力が上がることはないでしょう。
当たり前のように聞こえるかもしれませんが
英単語とその音の情報が頭にインプットされていないから
あなたの脳が音として識別できないんですね。
逆に言うと雑音として処理されてしまいます。
これは非常にまずいわけです。
空耳アワー起こりまくりです。
リスニングで頑張って聞き取ろうとしても
何度も英語のシャワーを浴びようとしても
ほとんど効果がないということをご説明します。
リスニングをいくら頑張ってもムダな理由
英語のリスニングがまだできないのには、
あなたの脳がまだ雑音として処理しているからでしたね。
それで音読やらシャドーイングやら何やら
コツコツ頑張っている人も多いかと思うのですが
どれだけ頑張っても聞き取れないっていう人が大半です。
まずは、
何故あなたがいくら頑張っても英語を聞き取れないのか
お話していきたいと思います。
リスニングしているのは幻?2つの身体の不思議
リスニングしている
これ自体は紛れもない「事実」です。
しかしそれを100%そのままあなたの脳に行き届いているか…
正直言ってあやしいです。
言語学の2つの研究を使ってご説明していきます。
リスニングの不思議!目が耳を支配する?
まずは下の動画をご覧ください。
「ファ」と言っているのか「バ」と言っているのか…
これは彼の口の動きであなたの頭の中で処理のされ方が変わります。
音だけで聞こうとすると「バ」に聞こえるのに対し、
実際に発声している顔を見ると「ファ」に聞こえます。
マガーク効果(McGurk effect):言語音声の音韻知覚において聴覚情報と視覚情報の相互作用を示す現象の一つ。
つまり目から得られた情報(ファ)が
耳から得られる情報(バ)を邪魔しているわけです。
特に初心者がリアルな英語に触れても
- 耳(聴覚スキル)がそもそも信用できない
- 目(視覚スキル)でも理解できない
- 脳(思考)が停止しちゃう…
みたいなことになっちゃっているかも?
耳だけで音を聞き取る力をしっかり養うことが
英語のリスニング力を上げるのにとても大事なんですね。
リスニングの不思議!脳が勝手に音を作り上げる?
今度は逆です。
Phonemic Restoration Effectと呼ばれる効果がありまして、
知覚的補完の1つで連続聴効果にあたります。
リスニングで音が聞こえていなくても聞こえてしまう
ということです。
どうでしょうか?
実際に聞こえていないはずの音が聞こえているはずです。
1つ目のデモ
音そのものが消えていますが、
口の動きで補完していることが分かると思います。
2つ目のデモ
モザイク音によって邪魔されていますが、
結局あなたの脳が補完しています。
いずれにしろこの2つのデモは、
3つ目のものと同じように話していた
と予想したはずです。
音を補完する能力が脳にあるということはつまり、
あなたの脳は完全に音を拾い切っていない
ということの裏付けになります。
なのでもう少し方の力を抜いて、
英語の音について理解するだけでも
大きく変わってくるはずなんですよね。
ちなみに音楽学校などでも同じような勉強をします。
音の仕組みって面白いですよ。
Illusion Forum イリュージョンフォーラム 錯聴 知覚的補完 連続聴効果
この言語学の研究で言いたかったことは、
単語や文法、英語の音に対する理解があれば
仮に音が聞き取りづらくても脳が補完してくれます。
だからこそ知っている音はリスニングができるんですね。
リスニング力を楽に向上させる3つの英語学習法
さて本題のどうやってリスニング力を上げるか…
そのためには3つのステップが大事です。
- 英語の音を理解する
- 英語のリズムで音読する
- ディクテーションで聞き取る
英語の音を理解できているか
英語のリズムで音読できているか
ディクテーションでちゃんと聞き取れているか…
つまりあなたがどのレベルにいるかを確認する必要があります。
英語の音を理解せず音読しても効果はないですし、
英語のリズムが分からずディクテーションなんて不可能です。
段階を踏んでレベルアップしていくのが本筋なんですね。
リスニング力を上げるために英語の音を理解しよう
まずステップ1の英語の音を理解するですが、
言語学にはIPA(International Phonetic Alphabet)
と呼ばれる国際音声記号なるものがあるんですね。
これで英語の音について学ぶことができます。
そりゃそうですよね。笑
このIPAチャートでは英語の音だけではなく
全言語の音について説明してあるので
IPAを学ぶというのはあまり効率的ではないです。
なのでそれを優しくまとめてある本があります。
英語耳という本です。
この著者が言っていることについて賛否両論ありますが、
英語の音についてきれいにまとめてあるのでおすすめです。
それぞれの音がどういう単語に使われているか気になりますよね。
このサイトに先ほどのIPAと単語例、そして実際の発音…
これらをすごく簡単にまとめてくれてあります。
The sounds of English and the International Phonetic Alphabet | Antimoon
リスニング力を上げるには英語のリズムで音読する
英語の音について理解することができました。
次に英語のリズムで音読してみます。
この「英語のリズム」というのが大事で、
英語を英語のままリスニングし理解するために必要です。
特に日本語と違って英語は音の言語なので本当に効果的です。
音読する際のポイントは、
- 意味のカタマリで区切ること
- カタマリを一単語のように音読すること
この2つを特に意識してください。
例えばですね、
I studied abroad in the US and played rugby in college when I was a junior year.
これを意味のカタマリで区切ろうとすると
I studied abroad(私は留学しました)
in the US(アメリカに)
and played rugby(そしてラグビーをプレーしました)
in college(大学で)
when I was a junior year.(3年生の時に)
意味のカタマリで区切って音読することで
英語をそのまま順番に理解するようになります。
英語って音の言語なので、
最初に言いたいことを持ってくる
という性質があります。
なので上の例文ですと、
メイン+サブ AND メイン+サブ+サブ
という流れで区切ると頭の中で整理しやすくなります。
これを意識して音読するだけで、
リスニングの土台がバッチリ出来上がります。
リスニング力を爆上げするにはディクテーション
そうなんです。
1と2はあくまでリスニングとスピーキングの
練習をするための準備段階という感じです。
そこから、
スピーキングならシャドーイング。
リスニングならディクテーション。
こうやってレベルを上げていく感覚です。
そう、だから最初は短い文章とかでも全然いいので
遅いスピードから始めてみると良いですよ。
リスニング力を上げるためのノウハウまとめ
この記事をまとめると、
- 脳が雑音として処理しないために英語の音を理解する
- 英語の文章を意味のカタマリで区切って音読する
- ディクテーションで英語を一言一句逃さない
いかがでしたでしょうか?
今回のリスニングの記事ですが、
正直言って英語学習者さんだけではなく
英語講師でも知っている人はほとんどいません。
超激レアなコンテンツとなっています。
言語学の研究とかまじで誰も知らないと思う…
リスニングはやはり日本人にとって最大の壁です。
しっかりこの記事を復習して成長スピードを上げていきましょう!